市立加西病院

医療安全対策

加西病院の掲げる医療安全対策

医療安全は患者と職員の安全を守る医療機関が取り組むべき最優先課題であると考えています。本院は医療安全病院目標「医療安全文化の醸成を図る」を掲げ、更に年次目標に基づき活動しています。25年度から2年間【現場対策の強化とチーム力のUP】をテーマに継続的に取組み、人材育成を重視してきました。27・28年度のテーマは【患者安全の率先・・・チームSTEPPS意識化と実践・・・】を掲げています。従来報告制度を使いインシデント・アクシデントの改善活動を実践してきました。それに加え、複雑化している医療現場にチームSTEPPSという医療安全のためのチームワークシステムの定着をはかります。そのためには、一人一人の医療者が安全な医療を意識化し実践し成果を上げることが必要です。

研修計画

月 日 内  容
7/22(金) チームSTEPPSの研修会
8/5(金) チームSTEPPSの研修会
11/25(金) 医療安全大会
12/16(金) 事例分析(ImSAFER)

1.医療安全対策のための理念

患者の権利を尊重し、思いやりのある医療を行ないます

2.医療安全対策に関する基本的考え方

医療は患者さんのためになされるものです。患者さんは自分がどのような病気であるのか知る権利をもっており、どのような治療を受けるか選ぶ権利をもっています。

私たちは患者さんに分かりやすく十分に説明します。私たちは望ましい診療方針を提案し、それを患者さんに選択していただきます。従来のインフォームドコンセント(説明と同意)だけでなく、インフォームドデイシジョン(説明と患者自身の決定)、インフォームドチョイス(説明と患者の選択)へと移行していくべきものであると考えています。患者さんにできる限り情報を公開し、十分理解してもらった上で安心と信頼を確保し、理にかなった医療・看護を受けてもらうことを目標としています。

医療では有益な効果が得られるとともに、場合によっては危険や不成功が生じることもありえます。医療は100%安全確実なものではありません。利点と欠点を秤にかけた選択を行わねばならないことも少なくありません。医療には、そのような限界があることを知って頂くことも必要と考えます。私たちは自ら病気と闘う患者さんの声をよく聞いて、最も望ましい診療を共に考え、共に病気と闘ってゆく思いやりある支援者でありたいと思っています。

3.当院における医療事故(アクシデント)・インシデントの定義

下記のようにインシデント(ヒヤリ・ハット)を定義しています。

レベル0~3aまでをインシデント(ヒヤリ・ハット)、レベル3b以上をアクシデント(事故)と定義しています。

  • レベル 0 間違ったことが発生したが、患者には実施されなかった。
  • レベル 1 患者への実害はなかった(何らかの影響を与えた可能性は否定できない)
  • レベル 2 処置や治療は行わなかった(患者観察の強化、バイタルサインの軽度変化)
  • レベル 3a 簡単な処置や治療を要した(消毒、湿布、鎮痛剤の投与等)
  • レベル 3b 濃厚な処置や治療を要した(バイタルサインの高度変化、人工呼吸器の装着、手術、入院日数の延長、外来患者の入院等)
  • レベル 4 障害が永続的に続く
  • レベル 5 死亡

4.医療安全対策のための取り組み

(1) 組織の設置

医療安全管理担当の副院長を委員長とする「医療安全管理委員会」や、各部署に配置されているリスクマネージャーで構成する「リスクマネージメント推進チーム」を通じ、安全管理に関する事項についての基本方針を立て、以下に示す活動を行っています。

(2) 院内の報告制度の策定

医療事故が発生した場合(アクシデント)、もしくは医療事故となる可能性があった場合(インシデント)において、当事者、もしくは発見者がレポートを作成し、医療安全管理室へ報告する制度を策定しています。

インシデント・アクシデントレポートは事故分析で、システム・プロセス改善の提案書です。ミスを分析しシステムとプロセスの問題を明らかとして警鐘を鳴らし、改善への対策図っていくものです。集められたレポートの内容は集計・分析を行うとともに、その内容は、医療安全管理委員会で検討され、各部署のリスクマネージャーを通じて職員へ対策のフィードバックや啓発活動などを行います。

(3) 指針・マニュアル類の整備

医療安全管理のための基本的な指針を示している。また、マニュアルを作成し、可能な限り手順を共通化、集約し、事故の予防に努めています。マニュアルの中で利用頻度が高い内容は、職員ハンドブックにまとめ職員が携帯しています。

(4) EBM(=科学的根拠)に基づく医療の推進

クリニカルパスを導入して可能な限り医療の標準化を進めています。

(5) 職員に対する研修

職員の安全管理意識の向上を図るために、全職員を対象とした研修会を開催しています。また、新規職員・中途採用職員には別に研修会を実施し、特に医師(新規臨床研修医、新規臨床研究医、新規採用医師)に対してはさらに研修会を行っています。

(6) 周知及び啓発活動

安全管理体制についての職員への周知及び安全管理に関する意識の啓発は、ネットワーク端末を利用した「院内掲示板」とリスクマネジメント推進チームにより、周知徹底を図っています。

5.医療安全対策のための組織

(1) 医療安全管理委員会

医療事故の予防対策の検討及び患者安全対策の推進を図るとともに、病院における医療に係る安全管理の基本方針を決定します。

(2) 専従リスクマネージャーの配置

組織横断的に病院全体の医療安全対策の推進業務に専ら従事します。

(3) 医療安全管理室

病院全体の医療安全対策の方針決定に基づき、他部門から独立して組織横断的に医療安全対策を担っています。

(4) リスクマネージメント推進チーム

院内各部門より選任されたリスクマネージャーにより構成され、定期的な院内の巡回や各種マニュアルの見直しなどを検討する。

(5) 各部署リスクマネージャーの配置

各部署の患者安全対策の推進を行い医療事故の予防に関し、各部署の責任者を補佐するリスクマネージャーを各部署に配置しています。

(6) ワーキンググループの立ち上げ

ある部門間で個別の対策が必要になったときは、当該部門代表のリスクマネージャーまたは適任者を選出して、随時ワーキンググループを立ち上げて対策を検討します。

(7) リスクマネージャーによる院内の巡回

院内各部署より選任されたリスクマネージャーにより、定期的に院内の巡回点検パトロールなどを実施して、決められた手順通り業務が行われているかをチェックする体制を整えています。この結果はリスクマネージメント推進会議で検討され、問題点がある場合には、速やかに是正措置を講じたり、マニュアルの見直しなどを行います。

(8) 患者相談窓口の設置

病院に「患者様、ご家族からの相談窓口」を設置し、患者等の苦情や相談、意見など迅速かつ適切に対応します。また、平成22年より医療安全管理室の場所を地域医療室内に移しました。

平成26年より医療者と患者・家族との対話を促進するため、MSW、地域医療室看護師、医療安全管理者の調整会議を持つ等支援体制を整えています。